この記事の要点
- 現実最低賃金は 1,121 円から 1,177 円へ。56 円の引き上げは、目安の制度が始まってから 2 番目の高さです。
- 意味同じ人数、同じ時間でも、費用が増えます。売上が同じなら、残りが減ります。
- 考え方「人を増やして回す」から、「人の時間を、何に使うかを選ぶ」へ。
- やること増える額を計算する、同じ説明のくり返しを数える、サイトに任せられるものを移す。
- 結論時給が上がるほど、同じ説明を何度もくり返す時間が、高くつきます。
最低賃金は、いくらになったのか。
厚生労働省の発表によると、令和 8 年度の地域別の最低賃金は、全国の平均(働く人の数で重みを付けた平均)で 1,177 円です。前の年度は 1,121 円でした。
| 令和 7 年度 | 令和 8 年度 | |
|---|---|---|
| 全国の平均 | 1,121 円 | 1,177 円(56 円増・約 5.0%) |
| いちばん高い所 | 1,280 円 | |
| いちばん低い所 | 1,085 円 |
引き上げの幅は、47 都道府県で 54 円から 65 円です。56 円という全国の平均の引き上げは、昭和 53 年度に目安の制度が始まってから、2 番目の高さだとされています。
新しい最低賃金は、2026 年 10 月 1 日から 12 月 2 日までのあいだに、都道府県ごとに順に始まります。
一人あたり、いくら増えるのか。
最低賃金に近い時給で、人を置いている場合の計算です。
一日 8 時間・月 21 日(168 時間)の場合:56 円 × 168 時間 = 月に 9,408 円。年に 11 万 2,896 円。
一日 5 時間・月 20 日(100 時間)の場合:56 円 × 100 時間 = 月に 5,600 円。年に 6 万 7,200 円。
5 人なら、上の場合で、年に 56 万 4,480 円です。社会保険料などは、入れていません。
売上で言うと、いくらにあたるのか。
売上のうち手元に残る割合が 2 割の商売なら、年に 11 万 2,896 円を取り戻すには、売上を 56 万 4,480 円増やす必要が在ります。一人分で、です。
賃金は、来年も上がる見込みで考えておくほうが安全です。これは私の考えです。
持つ側は、何ができるのか。
賃金を払うのは当然のことで、そこを削る話では、ありません。考えるのは、人の時間の使い方です。
一つめ:同じ説明のくり返しを、数える
営業時間、場所、値段、予約のしかた、持ち物。一週間、電話と店先で聞かれたことを書き出します。同じ問いが何度も出るなら、それは、人でなくても答えられる問いです。
二つめ:サイトに、先に答えを置く
よく聞かれることを、サイトの見つけやすい所に書きます。電話の数が減り、その時間を、人にしかできない仕事に回せます(書き方はこちら)。
三つめ:受付を、文字でも受ける
予約や問い合わせを、電話だけでなく、文字でも受けられるようにします。営業時間の外にも受けられ、聞きまちがいも減ります。
四つめ:AI の窓口は、計算してから
問い合わせに答える AI を置く方法も在ります。合う場合と、合わない場合が在ります(費用の計算はこちら)。
この数字を読むときの注意
- 全国の平均は、働く人の数で重みを付けた平均です。
- 増える額の計算は、時給が最低賃金と同じだけ上がる、と置いたものです。働く時間は、例として置いた数です。
- 社会保険料の会社の負担分などは、入れていません。
よくある質問
- 1,177 円は、どの都道府県でも同じですか。
- いいえ。都道府県ごとに違います。いちばん高い所は 1,280 円、いちばん低い所は 1,085 円です。ご自分の都道府県の額は、労働局の発表で確かめてください。
- 時給が最低賃金より高ければ、関係ありませんか。
- 直接は、関係しません。ただ、近くの時給の相場が上がると、採るための時給も上がりやすくなります。
- サイトを整えると、人を減らせますか。
- 人を減らすための話では、ありません。同じ説明に使っていた時間を、ほかの仕事に回せる、という話です。
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出どころ
- 厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」(令和 8 年度。2026 年 9 月 3 日公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html