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棚 08 人手と AI の窓口

最低賃金は 1,177 円。1 年で 56 円上がった

時給で働く人を一人置く費用は、いくら増えたのか。計算して、人の時間の使い方を考えます。

公開:2026 年 10 月 10 日

先に答え令和 8 年度の最低賃金は、全国の平均で 1,177 円です。前の年の 1,121 円から、56 円(約 5.0%)上がりました(厚生労働省、2026 年 9 月公表)。一日 8 時間、月に 21 日働く人を一人置いている場合、賃金だけで、年に 11 万 2,896 円増えます。人の時間を、人にしかできない仕事に使う工夫が、前より大事になっています。

この記事の要点

  • 現実最低賃金は 1,121 円から 1,177 円へ。56 円の引き上げは、目安の制度が始まってから 2 番目の高さです。
  • 意味同じ人数、同じ時間でも、費用が増えます。売上が同じなら、残りが減ります。
  • 考え方「人を増やして回す」から、「人の時間を、何に使うかを選ぶ」へ。
  • やること増える額を計算する、同じ説明のくり返しを数える、サイトに任せられるものを移す。
  • 結論時給が上がるほど、同じ説明を何度もくり返す時間が、高くつきます。

最低賃金は、いくらになったのか。

厚生労働省の発表によると、令和 8 年度の地域別の最低賃金は、全国の平均(働く人の数で重みを付けた平均)で 1,177 円です。前の年度は 1,121 円でした。

令和 7 年度令和 8 年度
全国の平均1,121 円1,177 円(56 円増・約 5.0%)
いちばん高い所1,280 円
いちばん低い所1,085 円

引き上げの幅は、47 都道府県で 54 円から 65 円です。56 円という全国の平均の引き上げは、昭和 53 年度に目安の制度が始まってから、2 番目の高さだとされています。

新しい最低賃金は、2026 年 10 月 1 日から 12 月 2 日までのあいだに、都道府県ごとに順に始まります。

一人あたり、いくら増えるのか。

最低賃金に近い時給で、人を置いている場合の計算です。

一日 8 時間・月 21 日(168 時間)の場合:56 円 × 168 時間 = 月に 9,408 円。年に 11 万 2,896 円。

一日 5 時間・月 20 日(100 時間)の場合:56 円 × 100 時間 = 月に 5,600 円。年に 6 万 7,200 円。

5 人なら、上の場合で、年に 56 万 4,480 円です。社会保険料などは、入れていません。

売上で言うと、いくらにあたるのか。

売上のうち手元に残る割合が 2 割の商売なら、年に 11 万 2,896 円を取り戻すには、売上を 56 万 4,480 円増やす必要が在ります。一人分で、です。

賃金は、来年も上がる見込みで考えておくほうが安全です。これは私の考えです。

持つ側は、何ができるのか。

賃金を払うのは当然のことで、そこを削る話では、ありません。考えるのは、人の時間の使い方です。

一つめ:同じ説明のくり返しを、数える

営業時間、場所、値段、予約のしかた、持ち物。一週間、電話と店先で聞かれたことを書き出します。同じ問いが何度も出るなら、それは、人でなくても答えられる問いです。

二つめ:サイトに、先に答えを置く

よく聞かれることを、サイトの見つけやすい所に書きます。電話の数が減り、その時間を、人にしかできない仕事に回せます(書き方はこちら)。

三つめ:受付を、文字でも受ける

予約や問い合わせを、電話だけでなく、文字でも受けられるようにします。営業時間の外にも受けられ、聞きまちがいも減ります。

四つめ:AI の窓口は、計算してから

問い合わせに答える AI を置く方法も在ります。合う場合と、合わない場合が在ります(費用の計算はこちら)。

この数字を読むときの注意

  • 全国の平均は、働く人の数で重みを付けた平均です。
  • 増える額の計算は、時給が最低賃金と同じだけ上がる、と置いたものです。働く時間は、例として置いた数です。
  • 社会保険料の会社の負担分などは、入れていません。

よくある質問

1,177 円は、どの都道府県でも同じですか。
いいえ。都道府県ごとに違います。いちばん高い所は 1,280 円、いちばん低い所は 1,085 円です。ご自分の都道府県の額は、労働局の発表で確かめてください。
時給が最低賃金より高ければ、関係ありませんか。
直接は、関係しません。ただ、近くの時給の相場が上がると、採るための時給も上がりやすくなります。
サイトを整えると、人を減らせますか。
人を減らすための話では、ありません。同じ説明に使っていた時間を、ほかの仕事に回せる、という話です。

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