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棚 08 人手と AI の窓口

AI に任せすぎて、人を戻した会社

「AI が 700 人ぶんの仕事をした」と発表した会社は、1 年あまりで方針を変えました。AI と人の分け方を考えます。

公開:2026 年 10 月 10 日

先に答えスウェーデンの後払いの会社 Klarna は、2024 年 2 月、AI の窓口が最初のひと月で問い合わせの 3 分の 2(230 万件)を受け、700 人ぶんの仕事をしたと発表しました。ところが 2025 年 5 月、経営者は、質が下がったと述べ、人による対応に力を入れ直す方針を示しました(Bloomberg の取材を伝える報道)。任せる範囲を決めずに任せると、戻すことになります。

この記事の要点

  • 現実AI が問い合わせの 3 分の 2 を受けた、と発表した会社が、1 年あまりで、人を採り直す方針に変えました。
  • 意味AI は、量をこなせます。ただ、量をこなせることと、お客さまが満足することは、同じではありません。
  • 考え方「AI か、人か」から、「どの問いを AI に、どの問いを人に」へ。
  • やること問いを種類で分ける、人に替わる道をいつも見せる、答えを人が定期的に読む。
  • 結論AI は、人の前に立つ受付です。人の代わりでは、ありません。

2024 年に、何が発表されたのか。

Klarna は、買い物の後払いのサービスを出している会社です。2024 年 2 月 27 日の発表で、AI の窓口を動かして最初のひと月の結果を、こう伝えました。

発表された中身(2024 年 2 月)数字
AI が受けたやり取り230 万件。問い合わせの 3 分の 2
仕事の量700 人ぶん
用が済むまでの時間11 分から、2 分未満へ
同じ用件での、問い合わせ直し25% 減
お客さまの満足の度合い人の担当者と同じ程度
その年の利益の見込み4,000 万ドルの改善

数字だけを見れば、大きな成功です。

2025 年に、何が起きたのか。

2025 年 5 月、同社の経営者が、Bloomberg の取材に答えた内容が報じられました。伝えられた中身は、こうです。

  • AI の窓口は、人より安かったが、質が低かった。AI を中心にした進め方は、正しい道ではなかった。
  • これからは、人による対応の質に力を入れる。
  • お客さまには、望めばいつでも人が出る、とはっきり伝えることが大事だ。

同じ記事によると、同社は、人の担当者を採り直しています。AI の窓口をどう扱うかは、この記事からは分かりません。

ここから、何を学ぶのか。

ここから先は、私の読みです。

発表された数字(件数、時間、費用)は、どれも、会社の側から見た数字でした。お客さまがどう感じたかは、満足度の一行だけです。量と速さで測ると、AI は勝ちます。測っていない所で、失うものが在りました。

AI と人を、どう分けるのか。

AI が受ける人が受ける
営業時間、場所、値段、手順苦情、返金、事故
資料に答えが書いてある問い資料に無い問い、例外
営業時間の外の、最初の受け契約や金額を決める話
何度も来る、同じ問い相手が困っている、急いでいる話

一つめ:人に替わる道を、いつも見せる

AI とのやり取りの画面に、「人に聞く」の道を、いつも出しておきます。隠すと、お客さまは閉じ込められたと感じます。

二つめ:AI であることを、はじめに言う

人のふりをさせません。相手が AI だと分かっていれば、お客さまは聞き方を変えます。

三つめ:答えを、人が読む

週に一度、AI がどう答えたかを、人が読みます。まちがいと、答えられなかった問いが、次に直す所です。

四つめ:減らすのは、人ではなく、くり返し

AI を入れる目的を、人を減らすことに置かないことです。くり返しを AI が受け、空いた時間で、人が込み入った話を聞く。この形が、続きます。

この数字を読むときの注意

  • 2024 年の数字は、会社自身の発表です。外の人が確かめたものでは、ありません。
  • 2025 年の中身は、取材を伝える記事で読みました。取材そのものは、読んでいません。
  • 「AI と人の分け方」は、私の考えです。

よくある質問

この会社は、AI をやめたのですか。
私が読んだ記事が伝えているのは、人を採り直す、という方針です。AI の窓口をやめたとは、書かれていません。
小さな商売にも、当てはまりますか。
当てはまります。規模が小さいほど、一人のお客さまの不満が、大きく響きます。任せる範囲を、狭く決めて始めます。
AI の窓口は、すすめないのですか。
合う商売には、すすめます。同じ問いが多く、答えが資料に書いてある場合です。そのときも、人に替わる道と、人が読む決まりを、一緒に作ります。

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