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棚 08 人手と AI の窓口

人を一人雇うと、給料のほかに月 7 万 3 千円かかる

会社が負担する社会保険料、退職金のための費用、募集の費用。給料に見えない費用を、国の調査で数えます。

公開:2026 年 10 月 10 日

先に答え会社が人を一人雇うのにかかる費用は、月に平均 40 万 8,140 円です。そのうち、給料など現金で払う分は 33 万 4,845 円。残りの 7 万 3,296 円は、社会保険料の会社の負担分や、退職金のための費用などです(厚生労働省の令和 3 年就労条件総合調査)。人を雇う費用は、給料の 1.22 倍になります。

この記事の要点

  • 現実人を一人雇う費用は、給料の 1.22 倍。給料のほかに、月 7 万 3,296 円、年に 87 万 9,552 円かかっています。
  • 意味「給料 30 万円の人」は、会社にとって、月 30 万円では済みません。
  • 考え方「人を増やせば解決する」から、「人の費用の全体を見て、人の時間の使い方を決める」へ。
  • やること自分の会社で、給料のほかの費用を出す。人の一時間あたりの費用を出す。その時間で何をしているかを見る。
  • 結論人の時間は、思っているより高いものです。だから、人にしかできない仕事に使います。

人を雇う費用は、何でできているのか。

厚生労働省の調査が、会社が人を雇うことで生じる費用の全部(労働費用)を調べています。

人を一人雇う費用の中身(月・平均)

費用の全体は 40 万 8,140 円。そのほかに、募集 718 円、教育と訓練 670 円など。

給料など、現金で払う分334,845 円
社会保険料などの会社の負担分(法定福利費)50,283 円
退職金などのための費用15,955 円
会社が任意で出す福利の費用4,882 円

出どころ:厚生労働省「令和 3 年就労条件総合調査」

給料のほかの費用の、7 割近く(68.6%)は、社会保険料などの会社の負担分です。月に 5 万 283 円。このうち、厚生年金の保険料が 2 万 7,905 円、健康保険と介護保険の保険料が 1 万 7,496 円、雇用保険と労災保険の保険料が 3,695 円です。

次に大きいのは、退職金などのための費用で、1 万 5,955 円です。

会社の大きさや業種で、どう違うのか。

従業員が 30 人から 99 人の会社では、費用の全体は月 35 万 2,005 円、そのうち給料などは 29 万 2,370 円でした。

業種でも、大きく違います。

業種人を一人雇う費用(月)
建設業531,612 円
製造業476,149 円
医療・福祉361,190 円
卸売業・小売業354,143 円
宿泊業・飲食サービス業216,886 円

一時間あたりにすると、いくらか。

月に 168 時間(一日 8 時間・21 日)働くと置くと、40 万 8,140 円 ÷ 168 時間で、一時間あたり 2,429 円です。

電話で同じ説明を 10 分すると、およそ 400 円。一日に 6 回で、2,400 円。月に 21 日で、5 万円ほどになります。これは、平均の費用で計算した見当です。

ここから、何を考えるのか。

人の時間は、高いものです。だから、次の順で考えます。

  1. 人にしかできない仕事は、何か。相談に乗る、現場を見る、判断する、人を育てる。
  2. 人でなくてもできる仕事は、何か。同じ説明のくり返し、受付、道順の案内、書類の受け渡し。
  3. 二つめを、サイトや仕組みに移せるか。移すのにかかる費用と、空く時間の費用を比べます。

サイトの費用を、人の費用と並べる計算は、別の記事に書きました。

この数字を読むときの注意

  • 従業員が 30 人以上の、民間の会社を調べたものです。答えた会社は 4,013 社です。
  • 令和 3 年の調査で、中身は令和 2 年(または平成 31・令和元会計年度)の一年間の数字です。
  • 一時間あたりの費用と、電話の例は、置いた数からの計算です。

よくある質問

パートやアルバイトも、同じだけかかりますか。
この調査は、常用で働く人の平均です。働く時間が短く、社会保険に入らない場合は、給料のほかの費用は小さくなります。
いまは、もっと高くなっていますか。
調べたのは、令和 2 年(または平成 31・令和元会計年度)の一年間です。そのあと賃金は上がっているので、いまは、もっと高い可能性が在ります。新しい調査の数字は、私はまだ見ていません。
小さな会社の数字は、在りますか。
この調査の対象は、従業員が 30 人以上の会社です。それより小さな会社の数字は、ここには在りません。

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