先に答え2025 年、日本のインターネットの広告費は 4 兆 459 億円でした(電通の発表)。広告は、払っているあいだだけ人を連れてきます。止めたあとに手元に残るのは、ページ、名簿、記録、数字の四つです。広告を出すなら、この四つが残る形で出します。
この記事の要点
- 現実広告に使われるお金は、年に 4 兆円を超えました。広告は、止めた日に、人が来なくなります。
- 意味広告そのものは、資産になりません。資産になるのは、広告をきっかけに自分の側に残したものです。
- 考え方「広告で、今月の問い合わせを買う」から、「広告で分かったことと、つながりを、手元に残す」へ。
- やること問い合わせにつながった言葉でページを作る、来た人とつながる、記録を取る、一件あたりの費用を数える。
- 結論同じ広告費でも、残し方で、一年後の手元が変わります。
広告を止めると、何が起きるのか。
例で考えます。月に 3 万円の広告を出して、月に 3 件の問い合わせが来る会社が在るとします(数字は、説明のために置いたものです)。
一年で 36 万円。問い合わせは 36 件。一件あたり 1 万円。
広告を止めると、次の月から、問い合わせは 0 件に戻ります。36 万円で買ったのは、その一年の 36 件です。それ自体は、悪い買い物とは限りません。問題は、何も残していない場合です。
あとに残るものは、何か。
| 残るもの | 中身 | 残し方 |
|---|---|---|
| ページ | 問い合わせにつながった言葉に答えるページ | 広告の記録から、言葉を拾って作る |
| 名簿 | 来た人の連絡先(相手が自分で登録したもの) | お知らせの登録や、資料の請求の道を置く |
| 記録 | 何を聞かれたか、何で決めたか、何でやめたか | 問い合わせのたびに、書き残す |
| 数字 | 一件の問い合わせに、いくらかかったか | 月ごとに、広告費 ÷ 件数を出す |
残る形で、広告を使うには。
一つめ:問い合わせにつながった言葉で、ページを作る
広告を出すと、どの言葉で探した人が問い合わせたかが分かります。これは、お金を払って手に入れた情報です。その言葉に答えるページを、自分のサイトに作ります。
二つめ:来た人と、つながっておく
問い合わせまで行かなかった人も、関心は持っていました。資料の請求や、お知らせの登録のように、軽い一歩を用意します。
三つめ:問いと答えを、記録する
問い合わせで聞かれたことは、次のお客さまも知りたいことです。書きためて、よくある質問にします(作り方はこちら)。
四つめ:一件あたりの費用を、毎月数える
広告費を、問い合わせの件数で割ります。上がってきたら、せりに並ぶ会社が増えた合図かもしれません。上がる前に、広告に頼らない入口を育てておきます。
検索から来る人も、同じか。
同じです。米国の調査では、Google で検索した人のクリックのうち、3 割近くは、Google 自身のサービスへ向かっています(SparkToro、2024 年)。検索も、他人の場所です。
広告でも、検索でも、動画でも、来た人を、自分の側に残る形で迎えること。入口が何であっても、ここは変わりません。
この数字を読むときの注意
- 広告費の数字は、電通の発表を伝える報道で確かめました。
- 月 3 万円・3 件の例は、説明のために置いた数です。
- SparkToro の数字は、米国のものです。
よくある質問
- 広告は、やめたほうがよいのですか。
- いいえ。急いで人に来てほしいとき、広告は効きます。大事なのは、出しているあいだに、四つを手元に残すことです。
- 名簿を集めるのは、気が引けます。
- 相手が自分で登録したものだけを集めます。何が届くかを先に伝え、いつでもやめられるようにします。それなら、押し付けには、なりません。
- 小さな商売でも、記録は要りますか。
- 要ります。ノート一冊で足ります。聞かれたこと、頼まれなかった理由。これは、どこにも売っていない、自分だけの資料です。
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出どころ
- 電通「2025 年 日本の広告費」(2026 年 3 月 5 日発表)。発表を伝える報道 https://webtan.impress.co.jp/n/2026/03/06/52272
- SparkToro「2024 Zero-Click Search Study」(2024 年 7 月 2 日) https://sparktoro.com/blog/2024-zero-click-search-study-for-every-1000-us-google-searches-only-374-clicks-go-to-the-open-web-in-the-eu-its-360/