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棚 04 お金の流れ

同じ 30 万円でも、商売によって重さが 6 倍違う

ホームページの費用は、いくら売れば取り戻せるのか。国の調査の数字から、14 の商売で計算しました。

公開:2026 年 10 月 10 日

先に答え個人で営む喫茶店が 30 万円のホームページを取り戻すには、売上を 47% 増やす必要があります。木造の建築工事なら 7% です(令和 3 年経済センサスから計算)。同じ 30 万円でも、重さがおよそ 6 倍違います。費用が合うかどうかは、費用を、売上のうち手元に残る割合で割ると分かります。

この記事の要点

  • 現実30 万円を取り戻すのに要る売上は、喫茶店で売上の 47%、木造の建築工事で 7%。
  • 意味値段が同じでも、商売によって、重さがまったく違います。
  • 考え方「いくらなら安いか」から、「いくら売れば取り戻せるか」へ。
  • やること売上、残り、一件の金額の三つを出して、式に入れる。重すぎるなら、作らないか、小さく作る。
  • 結論作る前に計算する。合わないときは、作らないのが正しい答えです。

ホームページの費用は、いくら売れば取り戻せるのか。

費用を取り戻すのに要る売上は、次の式で出ます。

取り戻すのに要る売上 = かけた費用 ÷ 売上のうち手元に残る割合

喫茶店を例にします。国の調査では、個人で営む喫茶店の一年の売上は、平均で 500 万円です。仕入れや家賃などの費用を引くと、残りは 64 万円。売上のうち手元に残るのは、13% ほどです。

ここに 30 万円のホームページを作ると、取り戻すのに要る売上は 233 万円になります。いまの売上の 47% です。売上を 1.5 倍近くにしないと、取り戻せません。

木造の建築工事は、様子が違います。一年の売上は平均 2,002 万円、残りは 403 万円。30 万円を取り戻すのに要る売上は 149 万円で、売上の 7% です。仕事が一件増えれば、届きます。

30 万円を取り戻すのに、売上を何 % 増やせばよいか

個人で営む場合の全国の平均。数字が小さいほど、同じ費用が軽い。

喫茶店47%
床屋22%
美容室19%
居酒屋18%
食堂17%
整体・はり・きゅうなど17%
学習塾17%
写真館15%
お菓子・パンの店14%
そば・うどん店11%
自動車整備9%
塗装工事8%
電気工事7%
木造の建築工事7%

出どころ:総務省・経済産業省「令和 3 年経済センサス‐活動調査」から計算。個人で営む場合の全国の平均

50 万円、100 万円なら、どうなるのか。

同じ式で、費用を変えて計算します。

商売一年の売上(万円)残り(万円)残る割合30 万円50 万円100 万円
喫茶店5006413%47%78%155%
床屋37813636%22%37%74%
美容室58616228%19%31%62%
居酒屋89216719%18%30%60%
食堂83317121%17%29%58%
整体・はり・きゅうなど64417627%17%28%57%
学習塾67517726%17%28%57%
写真館77120627%15%24%48%
お菓子・パンの店1,23821317%14%23%47%
そば・うどん店1,05426325%11%19%38%
自動車整備1,38533224%9%15%30%
塗装工事1,36137528%8%13%27%
電気工事1,46742629%7%12%23%
木造の建築工事2,00240320%7%12%25%

表の右の列を見てください。100 万円は、工事の仕事でも、売上の 4 分の 1 ほどにあたります。個人で営む場合の平均では、軽い買い物ではありません。

この表から言えることは、三つです。

  • 手元に残る割合が低く、売上も小さい商売では、30 万円でも重い。
  • 一件の金額が大きい商売では、同じ費用でも、取り戻すまでの件数が少なくて済む。
  • 費用が合うかどうかは、値段を見ても分からない。自分の商売の数字を、式に入れてはじめて分かる。

自分の商売で、計算するには。

要る数字は、三つです。

  1. 一年の売上。
  2. そこから、仕入れ、家賃、人件費などの費用を引いた残り。
  3. 仕事一件、またはお客さま一人あたりの売上。

残りを売上で割ると、手元に残る割合が出ます。費用をその割合で割ると、取り戻すのに要る売上が出ます。それを一件あたりの売上で割ると、あと何件の仕事が要るかが出ます。

例:売上 3,000 万円、残り 600 万円(2 割)、仕事一件 80 万円の会社が、50 万円をかける場合。取り戻すのに要る売上は 250 万円。仕事にして、およそ 3 件です。

何年使うかも、考えに入れます。一年で取り戻す必要は、ありません。3 年使うなら、一年あたり 1 件です。

重すぎるときは、どうするのか。

計算してみて、取り戻すのがむずかしいと分かったら、作らない、または、小さく作るのが正しい答えです。地図への登録や、一枚だけのページで足りる商売も在ります。

私は、作る前にこの計算をして、合わないときは、合わないとお伝えしています(考え方)。

この数字を読むときの注意

  • 表の数字は、個人で営む場合の全国の平均です。会社として営む場合は、売上の大きさが違います。
  • 「残り」は、売上から費用の合計を引いたものです。個人で営む場合、店主本人の取り分は、ここから出ます。
  • 「取り戻すのに要る売上」は、増えた売上にも同じ割合で費用がかかるとして計算した、厳しめの目安です。
  • もとの調査は、令和 3 年(2021 年)のものです。調べた年は、感染症の影響があった年です。
  • 業種は、調査の分類のうち、近いものを当てています。
  • 平均なので、あなたの商売の数字とは違います。ご自分の数字で計算し直してください。

よくある質問

手元に残る割合が分からないときは、どうすればよいですか。
去年の一年の売上から、仕入れ、家賃、人件費、光熱費などを引いた額を出し、売上で割ります。確定申告の書類が在れば、そこから出せます。
会社の場合は、どう考えればよいですか。
式は同じです。ただ、表の数字は個人で営む場合の平均なので、会社には当てはまりません。ご自分の会社の売上と、売上のうち残る割合を、式に入れてください。
重すぎると分かったら、何をすればよいですか。
作らない、または、小さく作ります。地図への登録を整える、一枚だけのページを持つ、といった手が在ります。取り戻せない費用をかけないことが、いちばん大事です。

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出どころ

  • 総務省・経済産業省「令和 3 年経済センサス‐活動調査」(企業等に関する集計、事業所に関する集計)から、山岸ラボが計算。