この記事の要点
- 現実30 万円を取り戻すのに要る売上は、喫茶店で売上の 47%、木造の建築工事で 7%。
- 意味値段が同じでも、商売によって、重さがまったく違います。
- 考え方「いくらなら安いか」から、「いくら売れば取り戻せるか」へ。
- やること売上、残り、一件の金額の三つを出して、式に入れる。重すぎるなら、作らないか、小さく作る。
- 結論作る前に計算する。合わないときは、作らないのが正しい答えです。
ホームページの費用は、いくら売れば取り戻せるのか。
費用を取り戻すのに要る売上は、次の式で出ます。
取り戻すのに要る売上 = かけた費用 ÷ 売上のうち手元に残る割合
喫茶店を例にします。国の調査では、個人で営む喫茶店の一年の売上は、平均で 500 万円です。仕入れや家賃などの費用を引くと、残りは 64 万円。売上のうち手元に残るのは、13% ほどです。
ここに 30 万円のホームページを作ると、取り戻すのに要る売上は 233 万円になります。いまの売上の 47% です。売上を 1.5 倍近くにしないと、取り戻せません。
木造の建築工事は、様子が違います。一年の売上は平均 2,002 万円、残りは 403 万円。30 万円を取り戻すのに要る売上は 149 万円で、売上の 7% です。仕事が一件増えれば、届きます。
30 万円を取り戻すのに、売上を何 % 増やせばよいか
個人で営む場合の全国の平均。数字が小さいほど、同じ費用が軽い。
出どころ:総務省・経済産業省「令和 3 年経済センサス‐活動調査」から計算。個人で営む場合の全国の平均
50 万円、100 万円なら、どうなるのか。
同じ式で、費用を変えて計算します。
| 商売 | 一年の売上(万円) | 残り(万円) | 残る割合 | 30 万円 | 50 万円 | 100 万円 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 喫茶店 | 500 | 64 | 13% | 47% | 78% | 155% |
| 床屋 | 378 | 136 | 36% | 22% | 37% | 74% |
| 美容室 | 586 | 162 | 28% | 19% | 31% | 62% |
| 居酒屋 | 892 | 167 | 19% | 18% | 30% | 60% |
| 食堂 | 833 | 171 | 21% | 17% | 29% | 58% |
| 整体・はり・きゅうなど | 644 | 176 | 27% | 17% | 28% | 57% |
| 学習塾 | 675 | 177 | 26% | 17% | 28% | 57% |
| 写真館 | 771 | 206 | 27% | 15% | 24% | 48% |
| お菓子・パンの店 | 1,238 | 213 | 17% | 14% | 23% | 47% |
| そば・うどん店 | 1,054 | 263 | 25% | 11% | 19% | 38% |
| 自動車整備 | 1,385 | 332 | 24% | 9% | 15% | 30% |
| 塗装工事 | 1,361 | 375 | 28% | 8% | 13% | 27% |
| 電気工事 | 1,467 | 426 | 29% | 7% | 12% | 23% |
| 木造の建築工事 | 2,002 | 403 | 20% | 7% | 12% | 25% |
表の右の列を見てください。100 万円は、工事の仕事でも、売上の 4 分の 1 ほどにあたります。個人で営む場合の平均では、軽い買い物ではありません。
この表から言えることは、三つです。
- 手元に残る割合が低く、売上も小さい商売では、30 万円でも重い。
- 一件の金額が大きい商売では、同じ費用でも、取り戻すまでの件数が少なくて済む。
- 費用が合うかどうかは、値段を見ても分からない。自分の商売の数字を、式に入れてはじめて分かる。
自分の商売で、計算するには。
要る数字は、三つです。
- 一年の売上。
- そこから、仕入れ、家賃、人件費などの費用を引いた残り。
- 仕事一件、またはお客さま一人あたりの売上。
残りを売上で割ると、手元に残る割合が出ます。費用をその割合で割ると、取り戻すのに要る売上が出ます。それを一件あたりの売上で割ると、あと何件の仕事が要るかが出ます。
例:売上 3,000 万円、残り 600 万円(2 割)、仕事一件 80 万円の会社が、50 万円をかける場合。取り戻すのに要る売上は 250 万円。仕事にして、およそ 3 件です。
何年使うかも、考えに入れます。一年で取り戻す必要は、ありません。3 年使うなら、一年あたり 1 件です。
重すぎるときは、どうするのか。
計算してみて、取り戻すのがむずかしいと分かったら、作らない、または、小さく作るのが正しい答えです。地図への登録や、一枚だけのページで足りる商売も在ります。
私は、作る前にこの計算をして、合わないときは、合わないとお伝えしています(考え方)。
この数字を読むときの注意
- 表の数字は、個人で営む場合の全国の平均です。会社として営む場合は、売上の大きさが違います。
- 「残り」は、売上から費用の合計を引いたものです。個人で営む場合、店主本人の取り分は、ここから出ます。
- 「取り戻すのに要る売上」は、増えた売上にも同じ割合で費用がかかるとして計算した、厳しめの目安です。
- もとの調査は、令和 3 年(2021 年)のものです。調べた年は、感染症の影響があった年です。
- 業種は、調査の分類のうち、近いものを当てています。
- 平均なので、あなたの商売の数字とは違います。ご自分の数字で計算し直してください。
よくある質問
- 手元に残る割合が分からないときは、どうすればよいですか。
- 去年の一年の売上から、仕入れ、家賃、人件費、光熱費などを引いた額を出し、売上で割ります。確定申告の書類が在れば、そこから出せます。
- 会社の場合は、どう考えればよいですか。
- 式は同じです。ただ、表の数字は個人で営む場合の平均なので、会社には当てはまりません。ご自分の会社の売上と、売上のうち残る割合を、式に入れてください。
- 重すぎると分かったら、何をすればよいですか。
- 作らない、または、小さく作ります。地図への登録を整える、一枚だけのページを持つ、といった手が在ります。取り戻せない費用をかけないことが、いちばん大事です。
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出どころ
- 総務省・経済産業省「令和 3 年経済センサス‐活動調査」(企業等に関する集計、事業所に関する集計)から、山岸ラボが計算。